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ナイトライド・ストーリー

Chapter 151

統計的には、インフルエンザ患者の数は、医療技術の進歩にも関わらず、年々増え、昨年は3000人以上の方が亡くなっている。 また、皮肉なことに、著しい経済発展を遂げ、生活レベルが向上した中国から、新型のコロナウイルスが生まれた。 衛生管理は、この10年で大幅に改善し、健康状態もよくなった筈だが、ウイルスも種の保存のために、強力になる。

隔離された船内に於いてさえ、感染拡大が食い止められないのであれば、市中において況やおやである。 しかし、新型コロナウイルスの危険度は、それほど高くないように見受けられる。 重症化する恐れのある高齢者や持病のある方々は、防御策を施す必要はあるが、健康な人まで、外出や会議を控えるというのは非現実的に思える。 人間が、未知なるものに対して、恐れを抱くのは今に始まったことではない。 日本の鬼は、鉄器を持ち込んだ中国大陸の人とする説がある。 古い絵巻で鬼が燃え盛る炎の横でたたら(鞴)を持って走っている姿は、鍛冶職人をイメージする。 街中ではなく、山奥に籠って、真っ赤になった鉄を鍛える姿は、昼間でも不気味に映ったに違いない。 徳島市二軒屋町の農機具製作所では、近年までふいご祭りを行った。

さて、感染症でもっとも有名なペストは、抗生物質を投与しなければ、3割超の患者が死亡する。 14世紀、欧州におけるペストの大流行は、ネズミから感染したと教えられたが、ノミやシラミを媒介して感染し、人口の6割が死亡したとされている。 今回のコロナウイルスも、当初、食用のネズミから人へ感染したとされた。

弊社は、フィリピンの国立熱帯医学研究所と共同で、蚊取り器による感染症予防の研究を行っているが、蚊が媒介するマラリア、デング熱、ジカ熱といった熱帯特有の感染症に関しても、感染者数は増える一方で、昨年のデング熱の感染者は、16万8千人、死者700人超とされている。 これらは、人から人へ、直接感染しないので、予防対策が立て易いが、数字だけみれば恐ろしい。 人類は、未だにマラリアでさえ、撲滅できていないのが現実である。

兎に角、感染症は増える傾向にあり、地球温暖化との関係は立証されていないが、生態系の変化と密接に関係していると想像できる。

弊社は、独立行政法人国立病院機構仙台医療センターウイルスセンター西村秀一先生と、フィリピンでの感染症以外にも、UV-LEDによる、空気清浄、水殺菌といった共同研究を行っている。 西村先生は、イオン方式の空気清浄機に、殺菌効果は認められないという論文を発表した、勇気ある先生だが、私は、こんな気骨のある先生なら、製品の殺菌機能を適正に評価してもらえるだろうと、評価と共同研究を申し出た。 そんな中で、ノロウイルスに対して、深紫外線LEDで不活化できることを立証した。 大腸菌と違って、ノロウイルスでの検証は難しいので、世界的にも意義のある成果と言える。

私達の実現した紫外線LEDが、様々な分野で、感染症予防に少しでも貢献できることができれば開発の苦労が報われる気がする。

令和02年02月19日

ウイルス感染症対策への応用

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