Chapter 230
私事で恐縮ですがショッキングなことが起きた。私は男3人兄弟の三男だが、次男と私は一卵性双生児なので同い年。その次男が直腸癌ステージ4で緊急入院と聞いた。更にリンパ節と脳への転移が認められた。一般的に癌は遺伝要因が大きいとされるので、私はどうかと皆さんは心配されるかもしれない。一卵性双生児はDNAが全く同一つまりクローンということで天才アインシュタイン博士や、身体能力の高い優秀なソルジャーのDNAを持つクローン軍隊がSF映画でよく登場する。確かに優秀な頭脳、高い身体能力は遺伝的要因が高いので優秀なDNAを残す研究は重要であり、今時、精子バンクには、様々な人種、外見、学歴、身体能力の精子が保存されている。子供が優秀かどうかは卵子に依存するところもあるので生まれてくる子供が思い描いた通りに成長するかはわからない。うちの娘達を見る限り、遺伝は両親、祖父母と代々受け継がれている遺伝子のどれかが現出するので、何となくここは私に似ているけど、こういう所はお祖母さんに似ているといった感じで必ずしも両親の影響を公平に受ける感じではない。ところが一卵性双生児の場合は、見た目はほぼ同じなので、親しい友人でなければ見分けがつかない。大学で見知らぬ学生から親しく声を掛けられて兄の友人だということがよくあった。中学校までは同じ学校に通っていたので、模擬試験の合計点数が、同点ということが何回かあって、教師や塾の講師が「双子って凄いものだな」と驚いていた。100m走、1500m走といった単純な身体能力もほぼ同タイムだった。勉強よりも運動が得意だった双子は運動会や球技大会のヒーローだった。しかし、高校は名古屋市内の公立高校にそれぞれ進学して大学卒業と年を重ねるに連れて差が出てきた。その差を生んだのは物事の考え方。私は、どちらかと言えば慎重に物事を捉え、基本的に楽観的ではあるが常に最悪の状態を想定して準備する蟻さんタイプ。兄は楽観的で真剣に勉強や運動はせず、俺は頭がよくて運動神経がいいから大丈夫と過信するキリギリスさんタイプ。全く同じ遺伝子を持っていても、これだけ物事の考え方が異なると社会人以降に大きな差が生まれる。私は地道に起業の道を選んで大変な苦労をしたけれども今に至る。兄は、勤め人として自ら持って生まれた頭脳と運動神経でできる範囲の職務をこなした。これは生き方の問題なので、どちらがよいとか悪いとかの問題ではない。全く同じ遺伝子を持つ双子でも物事の考え方が異なれば全く別人ということが言いたかった。つまり、アインシュタイン博士のクローンを100体作っても、100人が同様に大発明をするということにはならないだろうということがわかる。また、同じ遺伝子を持っていても、癌は生活習慣に起因するものであって、特に、食生活、運動、規則正しい生活といったことが重要だということがわかる。そんなことわからないじゃないか?今、元気な私が、兄と同じように明日にも直腸癌になるかもしれない。そうかもしれない。私が思うには私も遺伝的に直腸癌になり易い体質は備えている。しかし、癌を現出させない食事や生活習慣で防ぐことができるのではないだろうか?子供の頃「双子の片割れ」と呼ばれたが片割れが癌の宣告を受けたことはショックだが、その片割れは長生きしたという事実を作りたい。
令和8年7月1日
双子兄の癌宣告を受けて思うこと


